湿潤断熱線図を描く (3)
ここで、それぞれの定数は、以下のような値となる。
飽和混合比は以下の式で計算する。 飽和混合比を計算する上で必要となる飽和水蒸気圧の計算は、以下に示すクラウジウス・クラペイロンの式を用いる。
これらの値を用いて、先に示した気温の気圧による変化量の微分式を差分式に置き換えて、気温の変化量を計算する。ここでは気圧を20 hPa刻みで減少させながら、以上の計算を繰り返し、水蒸気で飽和した空気塊の高度上昇に伴って気温の低下を計算する。
列A に1000 hPa を初期値として、減少する気圧を記入した。これまでは、このような軸の値の作成にはオートフィル機能を利用してきたが、Stull のテキストに倣い、気圧の変化量を B2 セルに書き込み、その値を順次減じることによって作成している。その式は数式バーに示されている。
C5セルには、クラウジウス・クラペイロンの式によって、飽和水蒸気圧を計算する式を書き込んだ。その式の内容は、数式バーに示されている。
D5セルには、大気圧と飽和水蒸気圧から、飽和混合比を計算する式を書き込んだ。その式の内容は、数式バーに示されている。
E5セルには、冒頭に示した、気温、大気圧と飽和混合比の値から、気温の変化量を計算する式を書き込んだ。その式の内容は、数式バーに示されている。文字が細かいので、式を以下に再掲する。
B6セルに書き込む式は、上の数式バーに示されている。列Bを除く各列の6行目から下の各セルには、5行目の内容をコピーする。列Bの7行目から下の各セルには、6行目の内容をコピーする。これで、1000 hPaにおける気温が20 ℃の湿潤断熱線図が計算できる。
気圧軸を線形目盛りで描いたグラフを上に示した。気圧軸を対数目盛とすると、エクセルでは補助目盛線がなくなり、実用性の低いグラフとなってしまう。 |