気温と湿数から相対湿度を求める
地上天気図から相対湿度を知るには、天気図に書き込まれている気温と露点温度を利用する。前回は、気温と露点温度から相対湿度を求めるグラフを作成した。一方、高層天気図では、気温と湿数が書き込まれている。湿数とは、気温から露点温度を引いた値である。湿数は英語でdew-point depression あるいは temperature-dew-point spread という。
湿数が大きいほど空気は乾燥しており、相対湿度は低い。反対に、湿数が小さいほど空気は湿潤である。高層天気図では、湿数が 3 ℃以下の部分を、湿域として網掛け表示されている。
今回は、気温と湿数の値から相対湿度を求めるグラフを作成してみよう。それは、前回の計算結果を利用して簡単に作成できる。ただ、湿数が大きいほど相対湿度が低くなることから、見やすいグラフを作成するには相対湿度の軸の向きを逆にする必要がある。
以下に示したシートが、計算結果である。列A に、相対湿度を10 %刻みで昇順に書き込んだ。今回は5 % も加えた。高層天気図が扱うエリアの気温は一般的に低いので、1行目の気温を示す行は、-40 ℃から40 ℃まで5 ℃間隔で作成した。セルに書き込む計算式として、B2セルに書き込んだものが数式バーひ示されている。この式を、残りのセルにコピーすれば計算は完了である。
いかに、計算結果をグラフにしたものを示す。
上のグラフで、たとえば気温20 ℃で湿数10 ℃の場合の相対湿度は、約52 %と読み取れる。冬場の500 hPa天気図では、-40 ℃で湿数5 ℃のような値がみられるが、その場合の相対湿度は約60 %と読み取れる。
上のグラフを見ると、湿数が 3 ℃以下の領域は、気温 0 ℃以上では相対湿度が 80 % 以上であり、気温が-40 ℃と低くても、相対湿度が 75 %以上であることが読み取れる。
(2011.3.28)
|