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 みすず書房から2008年10月10日刊行された「神経ガス戦争の世界史」の訳者の内山常雄です。科学警察研究所で長らく銃器鑑定全般を行い、その後発射痕鑑定を専門に行いました。仕事の関係で、武器や兵器の歴史を知る必要があり、戦争の科学・技術史に興味を持って参りました。化学兵器は専門分野ではないのですが、銃器の延長上の兵器の分野として調べて参りました。銃器鑑定の一分野に弾道学がありますが、アメリカのアバディーンには、ENIACという初の電子計算機を開発したことで有名な弾道研究所がありましたが、その地域はアメリカの化学兵器の研究開発の中心地でもありました。

 松本サリン事件、地下鉄サリン事件で、化学兵器テロが現実のものとなるまで、化学兵器の脅威を身近に感じることはありませんでした。ただ、これらの事件は、化学兵器禁止条約が採択された後に発生したものであり、世界では化学兵器が戦争等で使用され、その脅威を排除するための活動がすでに長い間行われていました。

 軍事情報は進んで公開されることは少なく、このような歴史まとまった形で紹介している書物は見当たりませんでした。そのように感じているとき、化学兵器の誕生から、その廃絶までの歴史を興味深く描いた本書と出会い、日本語で紹介しようと思いました。

 大量破壊兵器の中でも化学兵器は、防護装備を持ち、訓練を積んだ兵士の被害は少なく、防護装備を持たない一般市民が犠牲となる点で、非人道性が高い兵器です。広い戦場で効果を上げるためには、大量の化学剤を散布する必要がありますが、閉鎖空間では少量でも殺傷効果が高く、テロリストが威嚇に用いるのに格好の兵器となります。テロリストによって化学兵器が使用されるのを防止するためにも、化学兵器禁止条約の下での各種の規制が効果を発揮するであろうというのが本書の主張です。本書には、化学兵器を攻撃あるいは抑止の武器として開発に力を入れた歴史と、それをを廃絶する人類の叡智を傾けた活動の歴史が描かれています。

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 連絡は、T. Uchiyamaまでお願いします。




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