年々の気温変動幅は集計対象地域を拡大すると減少する
日本の年平均気温偏差の経年変化(1898~2013年)のグラフが気象庁のホームページ日本の年平均気温の偏差の経年変化(1898~2013年)に掲載されている。そのグラフは以下のものであり、100年間に1.14℃の上昇トレンドがあり。回帰線は右肩上がりとなっている。
このグラフは、国内の15観測点のデータから求めたものであり、長期的には上昇トレンドを示しているが、今年の気温が必ずしも昨年の気温より高いわけではない。上のグラフを見ても、薄い灰色の折れ線グラフで示されている各年の平均気温の上下変動は大きい。
ここでも注目すべき点がある。前年との変化が+0.1 ℃から+0.2 ℃の階級には2例しか含まれておらず、二峰性のヒストグラムとなっていることである。もっとも出現頻度の大きな階級は+0.3 ℃から+0.4 ℃で13カウントである。平均値は+0.0095 ℃、標準偏差は0.49 ℃であり、マイナス側とプラス側の間でカウント数が小さいところが平均値となっている。
何といっても、目を引くのはヒストグラムの分布の幅が、日本国内の分布と比較してきわめて狭いことである。平均値は+0.0068 ℃、標準偏差は0.11 ℃である。
やはり、日本国内のヒストグラムと比較すると分布の範囲が狭いが、世界全体よりは若干広い。また、世界全体のヒストグラムと分布の歪みが逆に見える。平均値は+0.0076 ℃、標準偏差は0.13 ℃である。
やはり、日本国内のヒストグラムと比較すると分布の範囲が狭い。一方、世界全体のヒストグラムとの類似性が高い。平均値は+0.0060 ℃で世界全体の値より小さい。標準偏差は0.11 ℃であり、世界全体の値と同じである。
東京の年平均気温の統計は1877年から残っているが、統計期間は国内の統計と合わせて1898年以降とした。平均値は+0.027 ℃、標準偏差は0.59 ℃であった。分布は、プラス側のすそ野が広いが、マイナス側の度数が大きく、右肩下がりのような分布になっている。やはり、前年との変化が少ない0.0 ℃~0.1 ℃の階級のカウントが少なくなっている。 |