2014年の国内の気温偏差を推定する
日本の年平均気温偏差の経年変化(1898~2013年)のグラフが気象庁のホームページ日本の年平均気温の偏差の経年変化(1898~2013年)に掲載されている。そのグラフは以下のものであり、100年間に1.14℃の上昇トレンドがあり。回帰線は右肩上がりとなっている。
このグラフは、国内の15観測点のデータから求めたものであり、長期的には上昇トレンドを示しているが、今年の気温が必ずしも昨年の気温より高いわけではない。上のグラフを見ても、薄い灰色の折れ線グラフで示されている各年の平均気温の上下変動は大きい。それでは、本年(2014年)の気温は昨年(2013年)の気温より高くなる確率と低くなる確率はどの程度であろうか?
ここでも注目すべき点がある。前年との変化が小さいところの度数が少なく、プラス偏差とマイナス偏差の2峰性の分布となっていることである。すなわち、前年との気温の変化が少ないことより、高くなったり低くなったりすることが多いということである。また、プラス偏差が大きいところの度数が高いことも特徴となっている。
ここで、差分の符号(プラスとなるかマイナスとなるか)は、それ以前の差分の符号の影響を受けることがわかった。115年間の差分を調べた結果を以下の表に示した。一番左側の欄に2年の傾向を示した。2年連続して気温が低下した場合がマイナス・マイナス(--)で22例存在した。最初は気温が低下したが、翌年に気温がそれより上昇した場合はマイナス・プラス(-+)で35例、逆に気温が上昇した次の年に気温が低下した場合はプラス・マイナス(+-)で36例存在した。2年連続して気温が上昇したのはプラス・プラス(++)で19例だった。
マイナス・マイナスとなった翌年、さらにマイナスとなったのはわずか5例、プラスとなったのは16例であり、3年目の変動がそれより前の変動と独立していないことは明らかである。プラス・プラスとなった場合に翌年もさらにプラスとなったのは、つまり3年連続してプラスとなったのは115年間に5例しかなかった。
同様にして、過去に過去にマイナス・マイナス・プラス・プラスとなった例を調べてみると、以下の4例であった。
ここで、これらを混ぜて年次別に並べると、4年目の上昇、下降については、マイナス・マイナス・プラス・マイナス・プラス・マイナス・マイナス・プラス・マイナスとなっている。この順列から考えると、2014年がプラスになるか、マイナスになるかは半々に見える。ここで、マイナスになると、温暖化傾向にブレーキがかかった感じが強まり、プラスになっても、最高記録にはならず、ハイエイタスの継続となるという感じだろうか?今日現在はプラスマイナスゼロとなっており、この夏が結果を左右しそうだ。 |