リチャード・E・ビスブリングの推薦文


     推薦文             リチャード・E・ビスブリング

   私がチャールズに初めて会ったのは、私がインターンの時で、彼はミシガン州警察犯罪捜査研究所の三代目所長になる前であった(初代所長はルロイ・スミス(1932年~1958年)、二代目所長はワラス・バンストロール(1958年~1972年)である)。チャーリーは1958年に巡査として研究所に入り、50年にわたる法科学分野の仕事を開始した。彼は25年間ミシガン州警察に勤め、12年間フロリダ州警察で仕事をした後引退し、その後の15年間はコンサルタントを行っている。彼は現在悪人を捕まえる代わりに、テネシー州マウンテンシティーの住居の近くでマスを捕まえている。そして、時々事件の相談に乗っている。幸いにもこの本の読者は、法科学の達人から、現実の犯罪捜査の様子を正しく知ることができ、DNAなしに、銃器と工具痕の異同識別によって犯罪を解決する手法を知ることができる。

 「隠れた証拠」の14ある各章では、14件の現実に起こった興味深い事件が紹介されている。また、銃器と工具痕鑑定入門が付録として付けられており、37枚の図面があり、参考文献と、現在の鑑定専門家に対するコメントまで付いている。事件関係者の名前は変えられているが、ミシガン州警察とつながりのある読者には、以前の同僚のことが書かれていることに気づくであろう(上の名前や下の名前がそこここで変化している)。

 チャーリーの性格を反映して、初めから終わりまで平易な言葉で、ずばりと書かれている。警察用語や法科学用語が点在しているが、事件の内容は読みやすく、どの事件の証拠も分かりやすく説明されている。序文にも書かれているが「この本の大半の部分は証拠自らに語らせている。」先入観による捜査を避けること、犯罪現場の保存の必要性、銃器以外の物的証拠(指紋から足跡、タイヤ痕、筆跡や土壌資料)の価値、犯罪現場の再構成について触れられており、そしてもちろん発射痕と工具痕の比較顕微鏡を用いた比較検査について強調されている。多くの事件で、物事の筋道を立てれば事件が正しく解決されることが示されている。この中の一つの事件で紹介されているシャベルの痕跡の異同識別は、私の知る限り、この達人の専売特許である。この事件以前に行われたこともなかったし、この事件の後40年経った現在まで行われたことがない。チャーリーについて誠実な科学者としての評判しか聞かないことと、鐘の音が澄んでいることとは同様の真実である。そして、彼は、忍耐と一貫性をもって証拠自身に語らせる形で、真犯人を刑務所に送り込んできた。

 「隠れた証拠」は、自分の専門分野以外に興味を持つすべての法科学者、まだ実際の事件の鑑定を行う以前の銃器と工具痕の新人の鑑定者すべてにとって有益な本である。チャーリーを知っている読者なら、読後に「チャーリーありがとう」と手紙を書きたくなるはずだ。

                      現代顕微鏡誌

2004年10月11日




隠れた証拠に戻る