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 立花書房から2005年12月15日刊行された「隠れた証拠-法科学事件ファイルから」の訳者の内山常雄です。科学警察研究所で長らく銃器鑑定全般を行い、その後発射痕鑑定を専門に行いました。

 裁判員裁判が2009年5月から開始されると、裁判員は裁判官とともに公判に立会い、証拠書類の内容を調べたり、証人の証言内容を聞いて、事実認定を行い、被告人が有罪か無罪かを決め、有罪と判断された場合には刑期を決める評議に参加することになります。

 裁判員制度裁判が対象とする犯罪は、その罰則が死刑または無期の懲役もしくは禁錮にあたるものと、故意に被害者を死亡させたものですが、発砲事件では、弾丸が人に命中すると、被害者が死亡する可能性が高く、裁判員制度裁判の対象となる事件となる可能性があります。

 わが国では、銃器の所持が厳しく規制されているため、銃器に関する詳しい知識を持っている人は異例です。また、銃器の知識はあっても、発射痕の鑑定の経験のある人はほとんどいないはずです。そのため、銃器や発射痕の鑑定結果にどのような意味があるのか?、なぜそのような鑑定が行われたのか?その信頼性はどの程度なのか?諸外国ではどのようなことが行われているのか?といった疑問を持たれることは当然のことと思います。

 発射痕鑑定の説明をする場合、実際の発射痕を例に引かないと説明が難しいのですが、国内の事件を題材にこのような疑問にお答えすることにはいろいろと制約があります。そんなときに、アメリカの大先輩が「Silent Evidence」を出版したことを知りました。原著者から、その翻訳に対して快諾が得られたことから、「隠れた証拠」として紹介することにしました。

 経験を積み重ねた鑑定者の言葉には、確かなものがあると思っております。本書が、裁判員裁判に参加する方々の参考に資することができれば幸いです。それと同時に、本書の紹介をするこのサイトを立ち上げました。

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 連絡は、T. Uchiyamaまでお願いします。



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